溶融亜鉛めっきとは

鉄に寿命を与え、
社会インフラを支える

溶融亜鉛めっきは、高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸し、表面に亜鉛皮膜を形成することによって錆から鉄を守る技術です。この技術は立体駐車場、工場建物、ビル鉄骨、交通標識、ガードレールなどあらゆる分野で利用されており、社会インフラを支えています。

溶融亜鉛めっき加工の写真

FEATURE溶融亜鉛めっきの特徴

鉄鋼材を錆から守るめっき皮膜は、鋼材全体を皮膜で覆うことにより、大気中の水分・塩分・酸素が鉄素地にまで侵入することを防ぎます。これを『バリアー機能』と呼びます。亜鉛めっき皮膜はこのバリアー機能により鉄地を保護します。何らかの原因で亜鉛めっき皮膜に傷が発生したとしても、鉄が錆びる前に亜鉛が溶け出し先に犠牲になることによって、鉄の腐食を抑制する亜鉛メッキ特有の「犠牲防食機能」を有しています。

バリアー機能のイメージ図

バリアー機能

亜鉛めっき皮膜は写真のような構造をしています。鉄素地に近い側では亜鉛と鉄素地が反応し強固な合金層を形成することによって、外部からの腐食物質の侵入を防ぎます。また、表面の亜鉛層の外側には、亜鉛の酸化被膜が形成されます。この強固な不導体皮膜により、バリアー機能をより確実なものとします。

犠牲防食作用のイメージ図

犠牲防食作用

亜鉛めっき特有の犠牲防食作用とは、亜鉛めっき皮膜に何からの傷が発生し、鉄素地が露出したとしても、傷の周囲の亜鉛が先に溶け出し電気化学的に鉄を保護し、鉄を腐食させない亜鉛めっき特有の機能です。

PLATING TANKガルバ興業のめっき槽

西条工場

西条工場のめっき槽のイメージ図
製品形状 めっき可能最大寸法
単材 14,000(L)
平組立材 14,000(L)×2,000(W)
立方組立材 14,000(L)×2,000(W)×2,700(H)

三原工場

三原工場のめっき槽のイメージ図
製品形状 めっき可能最大寸法
単材 16,000(L)
平組立材 16,000(L)×1,850(W)
立方組立材 16,000(L)×1,850(W)×2,800(H)

FLOW溶融亜鉛めっきの作業工程

素材受入の写真 脱脂の写真 酸洗の写真 フラックス処理の写真 溶融亜鉛めっきの写真 仕上げの写真 検査の写真 製品出荷の写真

01.素材受け入れ

めっきする製品の構造を確認します。

02.脱脂

加熱したアルカリ脱脂液に浸漬させ、表面の油脂類の除去を行います。

03.酸洗

常温の塩酸液に浸漬させ、表面の錆の除去を行います。

04.フラックス処理

被めっき面の洗浄・めっきまでの一時防錆をします。

05.溶融亜鉛めっき

445±5℃の溶融亜鉛層に浸漬させ、鉄と亜鉛の合金反応により、表面に亜鉛皮膜を形成します。

06.仕上げ

余剰亜鉛や酸化カスの除去を行います。

07.検査

外観検査及び、めっき試験を行います。

08.製品出荷

広大なストックヤードで製品を保管し、お客様の現場へ最適なタイミングで製品をお届けします。

SPECIFICATION溶融亜鉛めっきの仕様と規格

溶融亜鉛めっきに関する日本工業規格

JIS規格
種類の記号 膜厚(μm)
HDZT35 厚さ5㎜以下の素材、直径12㎜以上のボルト・ナット、厚さ2.3㎜を超える座金などで、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い膜厚が要求されるもの。 35
HDZT42 厚さ5㎜を超える素材で、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い膜厚が要求されるもの。 42
HDZT49 厚さ1㎜以上の素材、直径12㎜以上のボルト・ナット及び厚さ2.3㎜を超える座金。 49
HDZT56 厚さ2㎜以上の素材。 56
HDZT63 厚さ3㎜以上の素材。 63
HDZT70 厚さ5㎜以上の素材。 70
HDZT77 厚さ6㎜以上の素材。 77
  • 適用例の欄に示す厚さ及び直径は、公称寸法による。